ピリオドと名のつくやつはどうも……
ハードディスクのコヤシを消化するのに必死な今日この頃、つづいて視聴しましたのは井上道義とオーケストラ・アンサンブル金沢のベートーヴェンです。指揮者も、オーケストラも、まともに聴くのは今回がはじめてでした。
世にいうところのピリオド・アプローチというやつで編成もコントラバス三本、チェロはよつたりという小さなもの(もっとも、これがこのオケの標準サイズかもしれません)。よく整理されたアンサンブルで、パート間のやりとりなど目にみえるように鮮やか。知・情・意のバランスが取れています。
しかしながら、ここぞというところで音にエネルギーがいまひとつ感じられないのがもどかしかったです。同じ第七交響曲をコントラバス二本で演奏しているチェリビダッケ/スイス・イタリア語放送管には、そんな不満を感じたりしなかったのですが……
こちらは血のしたたるようなレアのステーキが食べたかったのに、出てきたのはミディアムを通り越していた――という按配の物足りなさ。