チャイコフスキーつながりで

DVDレコーダーに埋もれかけていたジャニーヌ・ヤンセンN響の共演を聴きました。これまた昨年のライヴで、指揮者はエド・デ・ワールト。同国人コンビですね。

これまではCD屋さんの店先でCDジャケットをみかけたことくらいしかない人ですが、こうして映像で見ると、ポヨンポヨンした上腕と何ともコメントのしづらいセンスのドレスに度肝を抜かれました(^^;)あらためてオフィシャル・サイトにいってジャケット写真を見ると、その辺が実にうまく隠ぺ……じゃなかった、カバーされてるんだなあ、コレが。まさに神業のアートワークです。

与太話はほどほどにして演奏ですが、先日聴いたシュタインバッハーの五千倍くらい面白かったです。一楽章の最初のほうこそアゴーギグが早口言葉みたいで余裕のない感じでしたが、第二主題をこれくらい情感ゆたかにやってくれると(エルマンは別格として)うれしくなってしまいます。だんだん調子も上向いてきて、コーダのあたりは弾いていて楽しくて仕方ないという感じの白熱っぷり(わたしがその場に居合わせていたら、一楽章のあとで拍手をしたかったところです)。指揮者のほうをチラっとみて、「……やりすぎちゃったかな」、とかハニカミながらうつむいたりなんかしちゃって、もぉ……もぉ……もぉ……もぉ……もぉ……(そこだけ繰り返して十回くらい再生)*1

曲が曲なので、ヤンセンもテクニックは十分に持ち合わせていますが、シュタインバッハーと比べると少しアラ――というか危なっかしい場面がなかったとはいえません。だけどコンクールじゃないんだから、それくらい実演ではほとんど気にならないもの。そういうリスクを承知のうえで踏み込んだ表現をするヤンセンの思い切りの良さをこそ、わたしは採りたいです。

そういえば、どちらの演奏も三楽章は完全ノーカット版でした。数年前に出たムターのCDではたしかアウアーだかフレッシュだかのカットが採用されていたことを思うと、まさに時代の流れは日進月歩ですね……もしくは女帝さまがゴーイングマイウェイなだけかもしれませんが(^^;

*1:もしかしたら、ここで(エド)「今夜は寝かせてもらえそうにないなあ」(ジャニーヌ)「……イヤん」てな感じのアイコンタクトが交わされていたりして……(妄想が止まらん、どうしてくれよう)