ためしに、冗談半分で……

先にものした一文を、漢字で書けるところはむりやり漢字にして、某丸○君で正字正仮名変換してみたのが以下に掲げるものです。もともとがたいがいの悪文ですが、こうすることによってより悪くなりこそすれ、少しでも良くなったとは、まっっったく思えません(…

ひとりごと

塩野七生女史の『サイレント・マイノリティ』のページをめくっていたら、こんな句が目にとまりました。 この頃のワープロ作文の台頭には、漢字がやたらと使われているのだけでも、私は憤りを禁じえないでいる。ワープロを使って書いたものは、ひとめでわかる…

エロイカとトロンボーン

ご案内のとおり、ベートーヴェンの第三交響曲はトロンボーンが編成のうちに入っていません。先日ブロムシュテットがN響に来演してこの曲を取上げたときは前プロが同じ作曲家の第五ピアノ協奏曲で、これまたトロンボーンを必要としない楽曲でした。その辺は、…

清水靖晃の≪ゴルトベルク変奏曲≫(と書いて、「トシヨリノヒヤミズ」と読む……!?)

テレビで清水靖晃&サキソフォネッツの演奏会を観ました。清水氏の編曲するところのゴルトベルク変奏曲の抜粋です(一時間番組だったため)。面白かったですが、それにしても色々と考えさせられる演奏でした。まず編成の特異さに驚かされます。サキソフォン…

レーピンのリサイタル

テレビでワディム・レーピンのリサイタルを観ました。今年の三月三十日のライヴ収録で、ピアノはイタマール・ゴラン。当日の曲目は、 ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント ペルト:フラトレス ベートーヴェン:ヴ…

おめでとう、サンソン

今日はフランソワのお誕生日でしたね。たった今気がつきました。 生きてたら八十六歳か……きっとステキな不良老人になってただろうなあ。 ことしは没後四十年でもありますね。 アニヴァーサリーとしてはハンパだからあまり期待はできないかもしれないけど、ガ…

アレクサンダー・マッジャーのリサイタル

アレクサンダー・マッジャーというピアニストのリサイタルをテレビで観ました。曲目はドビュッシーのエチュードの抜粋とショパンの作品二十五の全曲です。ベルグラードの生まれで生地の音楽院に学んだ、という経歴からすると、最近すっかり化けの皮がはがれ…

ルイサダのリサイタル

以前録画しておいたジャン=マルク・ルイサダのリサイタルを観ました。二〇〇六年、人見記念講堂でのライヴ録音です。一曲目はハイドンのピアノ・ソナタ第六番(ホーボーケン番号)の三楽章。フランスのピアニストのハイドンというとカトリーヌ・コラールなど…

名誉挽回

展覧会の絵については、比較対象が対象だったこともあってちと辛口になってしまいましたが、ヴィニツカヤ嬢のプロコフィエフの第七ソナタはいい演奏でした。ムソルグスキーより格段に曲が良くできている(あくまでピアノ曲として、ですが)こともあって、彼…

≪展覧会≫くらべ

録りためた展覧会の絵があったのでみてみました。アンナ・ヴィニツカヤという若いピアニストのライヴ演奏です。いまちょうど開催中のエリザベート・コンクールの前回優勝者だとか。演奏はさすがに意気込みを感じさせるもので、華々しく痛快なヴィルトゥオジ…

フセイン・セルメットの展覧会の絵

テレビでフセイン・セルメットの展覧会の絵を観ました。このトルコ出身の御仁はティエリ・ド・ブリュノフの弟子なんだそうで、セーヌ川に浮かんだダルマ船(……といったら語弊があるかな)とピアノを師匠から受け継ぎ、今もそこでレッスンをしているんだとか―…

つまみ食いの続き

キーシン*1はアンコールの一曲目に革命を弾きました。オケマンの態度は何となく軟化(笑)このピアニストをまともに聴くのは久しぶりです。神童時代のメニューインみたいに、「型」あって情なし、という感じがして好きになれなかったのですが、このエチュー…

久々の衝撃

テレビでショパン生誕百周年のガラ・コンサートをやっていたのでつまみ食い。まず、ニコライ・デミジェンコ*1がアンコールで弾いた遺作のマズルカ(番号なしの、≪ア・エミール・ガイヤール≫というやつ)を聴いたのですが、オケの連中の憎々しげなしかめっ面…

典型的なフランスのペダゴーグ、ですな

エル・バシャのリサイタルを観ました。曲目はラヴェルの鏡、ラフマニノフの音の絵、など。ペルルミュテールやジャン・ドワイヤンなどお好きな方にはおすすめできるのではないでしょーか。

それとも、実演だとまるで違って聞こえるとか……!?

ベーム現象というやつはわが国の伝統的傾向とみえて、ここ数年話題になっているのが指揮者のプレートルとピアニストのチッコリーニです。十数年前のことを思えば、チッコリーニは「サティとかセヴラックとか弾いてる便利屋」という印象しかなかったと思いま…

アレクサンドル・メルニコフ/リサイタル

テレビで、アレクサンドル・メルニコフのリサイタルをやっていたので見ました。二〇〇七年のライヴで、曲目は交響的練習曲とスクリャービンの幻想曲、作品三十二の詩曲、など。十数年前になりますが、このピアニストはいちど実演で聴いたことがあります。「…

続き、見ることあるのかなあ

テレビでモーツァルトの協奏交響曲(ヴァイオリンとヴィオラのための)をやっていたので見ました。ソリストはウィーン・フィルのコンマスのH氏とY響のソロ・ヴィオラ奏者のS氏、管弦楽はO氏指揮のY響です。で、見始めたはいいのですが、十分くらいでつらくな…

レイ・チェン

NHK-BSでレイ・チェンのヴァイオリン・リサイタルを観ました。この青年、以前ちらっと触れた木嶋嬢もエントリーしていたエリザベート国際コンクールで一位優勝したという期待の星だとか。フランクのソナタの最初の一分を聴いただけで、これはいいなあ、と思…

フー・ツォン(承前)

一楽章のテンポに関しては、わたしはとくに遅いとは感じませんでした。二十分前後の演奏ならいくつか聴いていますが、なにしろその面子が濃い(笑)。 ユーディナ/ザンデルリング ギュレール/アンセルメ チェリ様/ペライア それより何より、ピアノのタッチが…

フー・ツォン

フー・ツォンは十年かそこら前、一度実演に接したことがあります。プログラムは、スカルラッティ、ハイドン、ショパン……あとシューベルトを弾いたでしょうか。手にものものしい黒いサポーター(?)を巻きつけており、聴いた印象でも、あまりコンディション…

期待はしているんだけど

NHKのBSで、ベレゾフスキーがチャイコフスキーの第一協奏曲を弾いていたので見てみました。とりあえず第一楽章。このピアニストは十数年前に一度ナマで聴きましたが、そのときとほぼ同じ印象。大体、あのヌボーっとした風貌そのままの音楽、といえば分かりや…

五分が我慢の限界

庄司某の独奏でチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を視聴しました。といっても最初の五分だけですが。それにしてもひどい。お金を払ってこれを聴きに行くひとがいるというのが信じられません。舞台姿そのままに貧相で美感のないヴァイオリンの音色。運弓…

ビシュコフふたたび

ロシア物は今ひとつ冴えなかったビシュコフ/N響ですが、ワーグナーとマーラーのプロは面白かったです。スヴェトラーノフのマーラーは(第七の実演を聴いた限りでは)借りてきたネコみたいに大人しい演奏でしたが、ビシュコフはその逆を張る恰好。先日視聴し…

恥っつぁらしな人生よ

先日記事を上げたあと、ふと(これまで何のかんがえもなしに「ヴォルフシュタール」と書いてきたけど、Hofmannstahl は「ホフマンスタール」だったよな……)と気になって調べてみました。Wiki の解説子曰く、この苗字は「Hofmann(貴族の称号を受ける以前の名…

メンデルスゾーンで全力投球されてもなあ

小菅優さんの独奏でメンデルスゾーンのピアノ協奏曲第一番を視聴しました(オケは下野竜也指揮の読売日響)。メンデルスゾーンをリストと勘違いしてるんじゃなかろうか。コンクールの審査基準でいえば問題なく弾けているんでしょうけど、テクニックに余裕が…

古い手帳から

(ほめるところがないものについてどうこう云うのは唇さむき心地するものですが、ネタが切れたら仕方がない、以前書き捨てたものを……)先日BSで諏訪内晶子とニコラ・アンゲリッシュのデュオ・リサイタルが放送されました。曲目は、モーツァルトのK454、ドビ…

ビシュコフ/N響

ビシュコフ指揮N響の定期公演を視聴しました。ショスタコーヴィチの第一交響曲と春の祭典のプログラムです。面構えと音楽性がえらいかけはなれているなあ、というのが第一印象。ロシアらしいコッテリとした、聴いていてグッと来るような何かは驚くほど希薄…

せきあえぬ血涙

広上淳一指揮のN響でプロコフィエフの第七交響曲を視聴しました。広上氏の指揮姿をみるのはこれがはじめてですが、最初は「コマ落ちしてるんじゃないか」と思いましたね、いや本当に。チャップリンやバスター・キートンのサイレント映画を見ているような錯覚…

浦島太郎

ハードディスク・レコーダーの中身を調べていたら、木嶋真優さんという若いヴァイオリニストが「ヴィターリの」シャコンヌを弾いていました。……この曲って、ヴィターリが作者ではなかったんだそうですね(「作曲者不詳」らしい)。今日の今日まで知りませな…

疑問符

『題名のない音楽会』にブーニンが出ていたので見ました。 ピアノはファツィオーリ。 通訳がいるけど、ロシア語じゃなくてドイツ語で話してます。どういうわけ!? ピアノの弾き方、ここまで来ると変人弾きですな(グールドじゃあるまいし……)。 わたしが何…