2009-01-01から1年間の記事一覧
やっといま現在のCDを聴く環境にも慣れてきたかなという今日この頃、折りよく以前話題にした、『スクリャービン博物館のソフロニツキー 第一巻』(VISTA VERA)が到来しました。曲目は以下の通り。 ノクターン第二番 ノクターン第四番 ノクターン第五番(以…
カザルス・トリオの演奏はさまざまなレーベルからCD復刻されていますが、皆さんはどんなCDでお聴きなのでしょうか。極言すれば、シューベルトやハイドン、メンデルスゾーンはどのCDで聴いても大して印象は変わらないと、個人的には思います――問題は、シュー…
○フェリア・リトヴィーヌの伴奏録音マリク版で「マスネの歌曲」とのみ記載されていた一九〇二年録音の八曲は marston から全曲復刻されています(ただし、わたしは未だに入手できていない……^^;)。曲目等リストがこちらで確認できますが、鈴木智博氏の『コ…
○ドビュッシー子供の領分――未発表音源あり(一九二七年)。一九五三年録音についてもHuntは未発表としていますが、GRシリーズでCD復刻あり(初出LPはBLP1050)。前奏曲集――沈める寺の未発表音源あり(一九二七年)。マリク版では亜麻色とミンストレルの一九…
○ショパンピアノ協奏曲――メンゲルベルクとの共演と、一九五四年の未発表放送録音(前述の通り)。ピアノ・ソナタ第二番――三つの未発表音源(一九二七年/一九四三年/一九五六年)。一九五三年のHMV録音についてもHuntは未発表としていますが、これは新星堂か…
あいかわらずCDを聴くのに支障をきたしているところですが、Huntの"pianists for the connoisseur"が手許へ到着しました。ミケランジェリ、ワイセンベルク、カーゾン、ソロモン、エリー・ナイ、そしてわがコルトーのディスコグラフィーです。マルP二〇〇二年…
ひさしぶりにショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第一番を聴きました。N響アワーで放映されたリサ・バティアシュヴィリの独奏、ジンマンが指揮したことし一月のライヴです。お察しの通り、アナクロ人間のわたくしは大抵オイストラフ/ムラヴィンスキーの…
更新の間があいてしまって申し訳ないです。環境の問題でしばらくCDを聴くことができていません……かわりといっては何ですが映画をけっこう見てます。『ハンナとその姉妹』は、評判がよいだけのことはあって、ウディ・アレンの作品中でも上出来の部類ではない…
十九世紀生まれの巨匠たちは、自分のレコードを聴いて芸風を変えていったということがいわれます。宇野功芳氏がワルターについてそれをよく指摘していますが、ここではエーリヒ・クライバーを例にあげましょう。デッカ録音のクライバーしか知らない人が、一…
レコードのマトリクス番号について認識に不十分なところがありましたので謹んで訂正いたします――というのは、マトリクス番号は各セッションごとに連続的に割り振られる原盤の通し番号だとばかり思っていましたが、ビクターでは、同じコルトーが同じ曲を弾い…
同じコルトーの演奏に対する彼我の印象の相違は、畢竟「どちらを先に聴いたか」によるのかもしれません。両野村翁は二十年代の演奏を通じて「コルトーのショパン」に親しんでいたからこそ、再録音に接するに至って「彼や昔のかれならず」の嘆が大きかったの…
現在はコルトーを代表する演奏群とみなされている一九三三年から翌年にかけてのショパン・レコーディングですが、同時代の評判は必ずしも無邪気な礼賛というわけには行かなかったようです。先にちらと触れていますように、あらえびすは一九三三年から四年に…
一九三三年というとコルトーは五十六歳ですが、その彼がレコーディング・セッションで以前ほど録リ直しをしなくなったのはどのような事情によるのでしょうか。ひとつには当時の厳しい経済情勢から制作サイドがシビアになったという可能性もあります*1が、や…
コルトーは若い頃は上手かったけど、その後がなあ、ということが良く云われます――実際、サン=サーンスの「ワルツ形式の練習曲」のアコースティック録音の見事な出来は、これを聴いたホロヴィッツが夢中になって、その技を盗むべくコルトーに教えを請うた*1ほ…
SP録音の復刻CDのライナーノートには大抵「録音データ」が記載されていますが、新星堂の『アルフレッド・コルトーの遺産』シリーズの場合以下のようになっております。 Octover 27, 1926 (A 27347, DB 1145) *1 一見するとさながら暗号のごとしですが、一九…
(ここの続きです)繰り返しになりますが、この演奏を聴く者にとって躓きの石となるのは、何といってもそのあまりにも特異なテンポ設定でしょう。このテンポの遅さたるや、ようやっと弾いている、という感じがするのは否みきれませんし、最盛期のコルトーで…
最近ふしぎとコルトーづいてまして、完全初出のショパンの協奏曲を聴くことができたと思ったら、某巨大動画サイトにとんでもないものがありました。「コルトーの」シューマンのピアノ・ソナタ第二番、です。Malik氏のディスコグラフィー(残念ながら、今とな…
一九四三年に開催された第一回のロン=ティボー・コンクールに優勝したのはヴァイオリン部門がミシェル・オークレール、ピアノ部門がサンソン・フランソワでしたが、前者が「優勝記念」ということで師匠のティボーと共演してハイドンのヴァイオリン協奏曲第一…
ゴロワノフのロシア物は、展覧会の絵や一八一二年のような個性暴発系の演奏と、スクリャービンやグラズノフといったフツーに良い演奏とに大別されるように思います。ボロディンの第二交響曲に関していえば、以前マルチソニック盤で聴いたときの衝撃たるや、…
ジョセフ・フックスとアルトゥール・バルサムによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを聴きました。ナクソスから三枚に分かれて全曲が復刻されていますが、今回手にしたのは五番、六番、七番の三曲が収められた一枚です。一九五二年の録音で、リマスタ…
(承前)ショパンのピアノ協奏曲では第一番の方が歴然と高いポピュラリティーを獲得していて、それはショパン・コンクールの主だった勝者(たとえばアルヘリチやブーニン)が大抵本選で第一を選んで弾いていることからも窺われますが、なかには第二を贔屓し…
遅ればせながら、コルトー/メンゲルベルク/パリ放送大管弦楽団によるショパンの第二協奏曲(MALIBRAN)を聴きました。これまで聴くことのできたコルトーのライヴ録音でもっとも古いものは一九四七年のベートーヴェンの第一協奏曲でしたが、今回の録音は一九…
シュナーベルといえばベヒシュタイン、ラザール・レヴィはエラール、ギーゼキングはグロトリアン、ボレットはボールドウィン……といった具合にピアニストの名がその愛器と強く結びついた例はあげるに事欠きませんが、わがコルトーの場合、それは云うまでもな…
昨年リリースされたコルトーのEMI録音集については、わたしも先にこちらで取り上げていますが、HMVの商品データをご覧になれば一目瞭然、フォーレの第一ソナタはわたしの期待していたアコースティック録音ではなくお馴染みの一九二七年録音でした。それほど…
とんでもないCDが出たみたいです。 『スクリャービン博物館のソフロニツキー 第一巻』 何がスゴいって、バラードの一番と四番が入ってるんですよ!「三番しかない」とまで云われていたソフロニツキーのバラード、それも一番と四番!!聴きたい!!! ……だけ…
ゴロワノフの四大怪演といえば、一八一二年、展覧会の絵、ボロディンの二番、悲愴、と相場は決まっていますが、その四曲が今回まとめてCD化されました。ハラショー。 チャイコフスキー:一八一二年 チャイコフスキー:交響曲第六番 スクリャービン:交響曲第…
モーツァルト: #28(ハスキル) ベートーヴェン: #7(ハスキル、クライスラー) シューベルト: 幻想曲(ブッシュ) シューマン: #1(ロスタル), 2(エネスコ) ブラームス: #1(スポールディング、ブッシュ), 3(クーレンカンプ、コハンスキ) フランク(…
前回前々回の続き。 モーツァルト: #8(リパッティ) ベートーヴェン: #32(エトヴィン・フィッシャー) シューベルト: #11(リヒテル) シューマン: #3(弟コラール) リスト: ダンテを読みて(ソフロニツキー) ブラームス: #3(カーゾン) スクリャービン…
まずはピアノ協奏曲。 バッハ: #5(フィッシャーかシゲティ) ハイドン: #11(フィッシャー、ミケランジェリ) モーツァルト: #21(カーゾン) ベートーヴェン: #4(フィッシャー) シューマン(コルトー/フリッチャイ) ショパン: #2(コルトー) ブラーム…
とあるブログで好きな交響曲ベスト10というエントリーがあったのですが、ブラームスの第一というわたしだったら絶対入れないような曲がベスト・ワンにあげられているのを見て、自分だったらどんな曲になるだろうか、指折り数えてみました。順不同ですがあ…