○ドビュッシー
子供の領分――未発表音源あり(一九二七年)。一九五三年録音についてもHuntは未発表としていますが、GRシリーズでCD復刻あり(初出LPはBLP1050)。前奏曲集――沈める寺の未発表音源あり(一九二七年)。マリク版では亜麻色とミンストレルの一九三一年録音が全曲録音と別に掲げられていますが、Hunt版にはその点に関する言及はありませなんだ。これは単なる錯誤なのか、はたまた……アラン・エヴァンス氏も確証がないとしている金色の魚に関して、Hunt版では言及されていません。○フォーレ
Hunt版は一九二二年録音のロマンスが記載洩れ。
○フランク
交響的変奏曲――未発表音源あり(ロナルド指揮管弦楽団、一九三二年)。マリク版に"Extant unpublished recordings"とある一九五七年ローザンヌ録音について、Huntは触れていません。前奏曲、アリアと終曲――マリク版には一九四七年録音が記載されていません。Hunt版にも未発表とありますが、APRからCD復刻されました(APR 5572)。前奏曲、コラールとフーガ――ふたつの未発表音源(一九三〇年/一九五〇年)。前奏曲、フーガと変奏曲(コルトー編)――これもマリク版でちらっと言及されているもの。Hunt版には記載されていませんが、ほんとうにあるのなら、ぜひ聴いてみたいものです。○リスト
軽やかさ――Hunt版にはなぜか一九二三年録音の記載がありません。波の上を歩むパオラの聖フランチェスコ――マリク版には一九三五年録音とありますがHunt版は一九三七年録音。どちらが正しいのか、わたしには分かりません(^^;ラ・カンパネラ――未発表音源あり(一九二五年)。原盤が破棄されたというビクター録音とは別の音源らしいです。○メンデルスゾーン
マリク版では、厳格なる変奏曲の日本録音に関して未言及(日BMG, BVCC37439)――ちなみに、この一曲だけのために二枚組CDを購入するふんぎりがまだつかないため、未聴です(^^;
○パーセル=ヘンダーソン/メヌエット、エア、ガヴォット、シチリアーナ
マリク版ではすべていっしょくたに記載されていますが、再録音されたのはメヌエットのみ。「一九五四年」とあるのも、Huntによれば一九四八年です。
○ラヴェル
夜のガスパールの未発表全曲録音が存在するそうです(一九三九年)。残念ながら原盤に損傷があるとのことですが、よしやどれほど損傷が甚大だとしても、コルトーの演奏をこの耳で聴くことができたら――と思わずにはいられません。
ソナチネの未発表音源もあり(一九三〇年)。
○サン=サーンス
ワルツの形式による練習曲の未発表音源(一九三〇年)。
○シューベルト
楽興の時第三番――「コルトー・ポピュラー・アンコール」に収録された演奏は、Huntによれば、一九五二年録音。リタニー(コルトー編)――未発表音源あり(一九二七年)。マリク版には一九五三年録音の記載なし――ただし、この録音を鈴木智博氏は一九四八年録音の別テイクか何かと推測しておられるようですが、その正否はわたしには判断できません。○シューマン
ピアノ協奏曲――未発表音源あり(クリュイタンス指揮パリ音楽院管、一九五七年)。前述した通り、Hunt版には一九三六年のウルグアイ放送録音及び一九五三年のスイス・ライヴに関する言及はなし。幻想小曲集(たぶんop.12)――初出レパートリー。ふたつの未発表音源(一九五六年/一九五七年)。謝肉祭――未発表音源あり(一九二七年録音)。幻想曲――これも初出レパートリーですね。二種の未発表音源(一九三五年/一九五六年)。子供の情景――未発表音源あり(一九五六年)。一九五三年録音についてもHuntは未発表としていますが、GRシリーズからCD復刻されています(LP初出は同年録音の子供の領分とのカップリング)。マリク版には『アート・オブ・ピアノ』(WARNER MUSIC JAPAN, WPBS-90127)所収の「詩人は語る」の映像(一九五三年)も掲載されていませんね。クライスレリアーナ――三つの未発表音源(一九五四年/一九五六年/一九五七年)。『二十世紀の大ピアニスト』シリーズのコルトー(I)初期輸入盤*1に収録された録音がこの三つのうちのどれなのかは不明。蝶々――三つの未発表音源(一九五〇年/一九五六年/一九五七年)。予言の鳥――「コルトー・ポピュラー・アンコール」に収録された演奏は、Huntによれば、一九四八年録音。ピアノ・ソナタ第二番――Hunt版には、全く記載なし。ということは、アレ、少なくともHMV録音ではないんですかね。○ストラヴィンスキー
ロシア舞曲の未発表音源があるとのこと(一九二七年)。コルトーによる唯一のストラヴィンスキー録音ということになります。
○ウェーバー
舞踏への勧誘の未発表音源があります(一九五〇年)。同曲の一九二六年録音のビクター盤とHMV盤とがそれぞれ別テイクを採用した別演奏であることが夙に指摘されていますが*2、Hunt版ではその旨の言及がありません。というか、そもそもマトリクス番号の記載がない(これは個人的にとても残念でした)。