2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

コルトーのショパン/バラード第一番

ここではバラード第一番を例にとりましょう。プレリュード集やソナタより一つ多い、三つの同曲異演を比較しうる便がありますし、各演奏を聴きくらべてゆくことを通じて、佐藤泰一氏をして「バラ一といえばコルトー、コルトーといえばバラ一」とまでいわしめ…

コルトーのショパン(承前)

コルトーはショパンの作品を幅広く取上げたのみならず、多くの曲を繰り返し弾いており、葬送ソナタや前奏曲集は、それぞれ五種の同曲異演を聴くことができます。それぞれ十一種あるフルトヴェングラーのエロイカや第九に比べれば一見かわいいものと映るかも…

コルトーのショパン

限られた曲目を繰り返し取上げるというイメージの強いコルトーですが、ことショパンに関しては、ソナタの一番や番号のないポロネーズ、マズルカといった類の若書きの作品は別として、独奏曲のあらかたを録音しています(ただし、今に至るまでマズルカの全集…

エロイカとトロンボーン

ご案内のとおり、ベートーヴェンの第三交響曲はトロンボーンが編成のうちに入っていません。先日ブロムシュテットがN響に来演してこの曲を取上げたときは前プロが同じ作曲家の第五ピアノ協奏曲で、これまたトロンボーンを必要としない楽曲でした。その辺は、…

再説ブリュショルリ

すでにご紹介したブリュショルリのエジプト風をinaのサイトで聴きましたが、以前に触れたDOREMI盤と比較して良くも悪くもよりライブらしい演奏――というのがわたしの印象でした。エキサイトする場面での崩れはより甚だしくなり、ここでピアノは主役じゃないん…

第一報

某巨大動画サイトに、ユーラ・ギュレールのリストのソナタが上がりました。わたくし、ギュレールの芸術を賛仰することにかけては人後に落ちないつもりですが、五十年代半ばのデュクレテ・トムソン録音と七十年代のエラート/ニンバス録音とでは天と地ほども芸…

清水靖晃の≪ゴルトベルク変奏曲≫(と書いて、「トシヨリノヒヤミズ」と読む……!?)

テレビで清水靖晃&サキソフォネッツの演奏会を観ました。清水氏の編曲するところのゴルトベルク変奏曲の抜粋です(一時間番組だったため)。面白かったですが、それにしても色々と考えさせられる演奏でした。まず編成の特異さに驚かされます。サキソフォン…

ヘンリク・シュトンプカのマズルカ

コレを買わないと聴くことのできなかったヘンリク・シュトンプカのマズルカを某巨大動画サイトで視聴することができます。作品番号付きの曲は全て公開されており、*1いい時代になったもんだとつくづく思いました(例によって直接リンクを張りませんがあしか…

ロストロ御大でさえコンチェルトは弾かなかったはず……

ユリア・フィッシャーというヴァイオリニストはピアノもやるんだとか。某巨大動画サイトでたまたまグリーグのピアノ協奏曲の映像を観ました。こんど、彼女がサン=サーンスの第三ヴァイオリン協奏曲とグリーグの協奏曲を弾くDVDがリリースされるという話を聞…

inaの音源リスト/落穂拾い(管弦楽曲篇)

inaのサイトはサーバーか何かに問題があるものとみえて、"Paul Paray"と打ち込んで検索しても出てこなかったファイルが"Fauré"をキーワードで探すとヒットする、というようなことがままあります(後述)。検索エンジンの精度が低いのでしょうか。 パレー/ベ…

inaの音源リスト/カサドシュ、エルフェ、ガルテンロープ

ふだんあまり聴かないひとも聴いてみます。 カサドシュ/自作の第二協奏曲(全) サン=サーンスとバルトークを足して二で割ったような按配の曲です。この人、ピアノより作曲のほうが才能あったんじゃないかしらん。 カサドシュ/モーツァルト:ピアノ協奏曲第…

変なのが出てきました

いつものinaのサイトにとんでもないのがありました。 カルロス・パイタ/≪フライシュッツ≫序曲(抜粋) ワレフスカ、パイタ/ドヴォルザークのチェロ協奏曲(全) パイタ/エロイカ(全) ワレフスカはいま日本に来ていますが、どうも散々みたいですね……(※……わ…

inaの音源リスト(マゼール篇)

ベルリン放送響時代のマゼールは凄かった、ということがよくいわれます。(それにひきかえ今は……)というニュアンスを多分にこめて。信じる信じないは別として、クリーヴランド管に行ってから*1何の変哲もない演奏をするようになったというもっぱらの評判で…

inaの音源リスト(ロスバウト篇)

ご存知、エクサン・プロヴァンス音楽祭のオペラ上演です。指揮はロスバウト、管弦楽はパリ音楽院管。音盤化すればそれなりにセールスを期待できそうなものですから、全曲聴けるものがあるだけでも太っ腹というべきでしょう。 ラモー:歌劇≪プラテー≫(全) …