ヘンリク・シュトンプカのマズルカ

コレを買わないと聴くことのできなかったヘンリク・シュトンプカのマズルカを某巨大動画サイトで視聴することができます。作品番号付きの曲は全て公開されており、*1いい時代になったもんだとつくづく思いました(例によって直接リンクを張りませんがあしからず)。ムザがマズルカ全集だけバラ売りしてくれれば話が早いのですが、その気配はここ十数年というもの欠片ほどもないてえのは一体どうしたわけでしょうか……

心ある一部の聴き手の間でマズルカの決定版といわれてきたシュトンプカの全集ですが、民俗舞曲の性格を失うことなく、それでいて高雅な情感に満ちあふれています。タッチの絶妙なコントロールといい、繊細きわまるフレージングとレガートの技術といい、ショパンを弾くために生まれてきたかのようなすばらしさです。*2op.24-4やop.50-3といった一曲一曲を取上げて聴いても文句なし、十曲二十曲と続けて聴いても飽きるということを知りません。うわさに聞いて想像した以上のマズルカで、フリードマンの五千倍は見事であると断言しましょう。聴き飽きしないことにかけては、これまで全集中のベストとみなしてきたフリエールをも凌駕します。

これなら、CD一枚六千円についても高くはないかも……!?

*1:残念ながら≪エミール・ガイヤール≫は聴くことができません。

*2:上記のショパン全集に収録されている六曲のノクターンも同様にして聴くことができますが、これまたステキな演奏でした。ポーランドにいたからこれしか録音させてもらえなかったわけで、仮にかれがドイツに亡命していたとすれば、アスケナーゼはDGGをクビになっていたんじゃないかしらん(^^;