2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴィルサラーゼのラヴェル/左手のための協奏曲

某巨大動画サイトでヴィルサラーゼの弾くラヴェルの左手のための協奏曲を視聴したのですが、これがユーディナもビックリというハード路線でした。美感とかニュアンスとかいったたぐいのものが含まれる余地のまったくない、強靭な意志の塊そのものの重く武骨…

コルトーのショパン/第一バラード(みたび)

(こちらの続きです)こうしてふたつのレコードを聴いて感じたのは、相性ということでした。一九二六年盤は、思うに解釈やスタイルに関してそれほど自覚的でなく演奏されたもので、コルトーの心づもりとしては、ウェーバーやリスト、シューマンを弾くときと…

二年前からあったものらしいですが

例によって某巨大動画サイトをみていたら、チェリビダッケがシチリアのオケを指揮した動画にゆきあたりました。一九六五年のライヴだそうで、わたしはこれまで聴いたことのなかった顔合わせです。画質はアレだし、音もモノラルのAMラジオみたいですが、変換…

ムラヴィンスキーの第五交響曲

……というと、チャイコフスキーかショスタコーヴィチを思い浮かべる向きが多いであろうと思いますが、ベートーヴェンの第五もそれに優るとも劣らぬ、ムラヴィンスキーならではの境地をいまに伝えるものです。この巨匠の常で同曲異演が複数あり、なかでは唯一…

コルトーのショパン/バラード第一番(承前)

(こちらの続きとなります)すでに述べたとおり、一九二九年盤は旧バラード全集の一部をなすものですが、HUNTのディスコグラフィーによれば、第一バラードはほかの三曲が二九年の三月十一日に録音されたあと、この曲のみ同年六月七日に吹き込まれた演奏だと…

ためしに、冗談半分で……

先にものした一文を、漢字で書けるところはむりやり漢字にして、某丸○君で正字正仮名変換してみたのが以下に掲げるものです。もともとがたいがいの悪文ですが、こうすることによってより悪くなりこそすれ、少しでも良くなったとは、まっっったく思えません(…

ひとりごと

塩野七生女史の『サイレント・マイノリティ』のページをめくっていたら、こんな句が目にとまりました。 この頃のワープロ作文の台頭には、漢字がやたらと使われているのだけでも、私は憤りを禁じえないでいる。ワープロを使って書いたものは、ひとめでわかる…

両立はむずかしい?

(コルトーのほうはちょっとひと息……)ブルックナー指揮者はマーラー振りたりえず、その逆もしかり――なんてことが世にいわれますが、その伝で、ハイドンとモーツァルトも両立しがたいレパートリーらしいです。いわれてみれば、とまず思い浮かぶのはフルトヴ…