両立はむずかしい?
(コルトーのほうはちょっとひと息……)
ブルックナー指揮者はマーラー振りたりえず、その逆もしかり――なんてことが世にいわれますが、その伝で、ハイドンとモーツァルトも両立しがたいレパートリーらしいです。
いわれてみれば、とまず思い浮かぶのはフルトヴェングラーです。巨匠のハイドンはわたしの好物中の好物ですが、モーツァルトはねえ……(^^;
その逆に、ムラヴィンスキーの振るモーツァルトの交響曲はえもいわれずステキだったのに対して、かれのハイドンは到底褒められた出来ではありませなんだ。
例外の最たるものはシューリヒトでしょう。モーツァルトもハイドンも到底優劣をつけられないすばらしさです。フリッツ・ブッシュやリステンパルトもまた、両作曲家の別なくいい演奏をきかせてくれますが、彼らふたりは、どちらかというとモーツァルトのほうにより適性を示していたような気もします。
それにしても、ブルックナーとマーラーが両立しにくいというのは何となく分からぬでもないのですが、ハイドンとモーツァルトはなんで難しいんでしょう。*1少なくとも今のところ、わたしにはまったくの謎です。
われらがチェリ様はといえば、これは歴然とハイドン/ブルックナー派でした――それでも、ひとに積極的にすすめようとまでは思いませんが、≪ドン・ジョヴァンニ≫の序曲やジュピター交響曲をわたしはけっこうよろこんで聴いています(^^;*2