2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

inaの音源リスト(アンゲルブレシュト篇)

フランス国立放送管といえば、創立者のアンゲルブレシュトを忘れてはいけません。 動くアンゲルブレシュト(動画) あの長い指揮棒をぶら下げて、裾から舞台の中央へ向かい、タクトを悠然と振り下ろし――たところでカメラが切り替わってしまうのに愕然。肝心…

inaの音源リスト(協奏曲篇)

今回は協奏曲篇です。 マルクジンスキ/ブラームスの第一協奏曲(全) ショパンでもラフマニノフでもなく、なぜかブラームスが一曲だけ。 アニー・ダルコ、ツィピーヌ/メンデルスゾーンのイ短調協奏曲(抜粋) この人、メンデルスゾーン以外何弾いてたんだろ…

inaの音源リスト(三)

続きです。 ホーレンシュタイン/モーツァルト:交響曲第三十九番(全) ホーレンシュタイン/ブラームスの第三、死と変容(後者の冒頭のみ) ホーレンシュタイン、シュタルケル/ドン・キホーテ(全) ホーレンシュタイン/マーラーの第九(抜粋) 当然といえば…

inaの音源リスト(ツィピーヌ篇・追補)

ツィピーヌの音源は一通り浚ったつもりでしたがとんでもない。まだまだ出てきました。やった!……と双手をあげて喜びたいところですが、最初の十分しか聴けない演奏がやたら多いのでうれしさも半分といったところ(^^;○全曲録音篇 ハイドン:太鼓連打 ≪泥棒…

inaの音源リスト

inaのサイトで面白そうな音源をリスト・アップしています。サイトの説明によると公開されている音源の八割は全曲をストリーム再生できるとありますが、テキも商売ですからね、その辺はぬかりなく、わたしが聴いてみたいなあと思ったものにかぎって最初の十分…

手帳の断章

ティボーを褒めたつもりで「これぞフランスの音、パリのエスプリ」と抜かすバカがいます*1が、これは実際のところ何もいっていないに等しいわざです。なぜといって、当時のフランスにもたくさんヴァイオリニストはいましたが、ティボーのようなヴァイオリニ…

ina.fr がスゴすぎる件について

コルトーのシューマンの第二ソナタを発見したときをも超える衝撃です。先日、ネットサーフィンしていたらフランソワに対する深い思いにあふれたあるサイトにたどり着きました。そこで紹介されていたのが、フランソワがバルトークの第三協奏曲を弾いている音…

フランソワのワルツ

そのかわり――といっては何ですが、フランソワのワルツはいいですね。彼の持ち味もマズルカ以上に生きていると感じます。四分以上かかる第八番みたいに異様なナンバーもありますが、それもアクセントだと思えば……(^^;なんといっても印象的なのは別れのワル…

フランソワのマズルカ

これまで、あまり気に入っていなかったフランソワのマズルカを久しぶりにまた聴いてみたのですが、ひとつだけ分かったことがあります――グレアム・グリーンが自作を"Novel"(たとえば『情事の終わり』)と"Entertainment"(『ヒューマン・ファクター』など)…

レーピンのリサイタル

テレビでワディム・レーピンのリサイタルを観ました。今年の三月三十日のライヴ収録で、ピアノはイタマール・ゴラン。当日の曲目は、 ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント ペルト:フラトレス ベートーヴェン:ヴ…

おめでとう、サンソン

今日はフランソワのお誕生日でしたね。たった今気がつきました。 生きてたら八十六歳か……きっとステキな不良老人になってただろうなあ。 ことしは没後四十年でもありますね。 アニヴァーサリーとしてはハンパだからあまり期待はできないかもしれないけど、ガ…

アレクサンダー・マッジャーのリサイタル

アレクサンダー・マッジャーというピアニストのリサイタルをテレビで観ました。曲目はドビュッシーのエチュードの抜粋とショパンの作品二十五の全曲です。ベルグラードの生まれで生地の音楽院に学んだ、という経歴からすると、最近すっかり化けの皮がはがれ…

ルイサダのリサイタル

以前録画しておいたジャン=マルク・ルイサダのリサイタルを観ました。二〇〇六年、人見記念講堂でのライヴ録音です。一曲目はハイドンのピアノ・ソナタ第六番(ホーボーケン番号)の三楽章。フランスのピアニストのハイドンというとカトリーヌ・コラールなど…

名誉挽回

展覧会の絵については、比較対象が対象だったこともあってちと辛口になってしまいましたが、ヴィニツカヤ嬢のプロコフィエフの第七ソナタはいい演奏でした。ムソルグスキーより格段に曲が良くできている(あくまでピアノ曲として、ですが)こともあって、彼…

≪展覧会≫くらべ

録りためた展覧会の絵があったのでみてみました。アンナ・ヴィニツカヤという若いピアニストのライヴ演奏です。いまちょうど開催中のエリザベート・コンクールの前回優勝者だとか。演奏はさすがに意気込みを感じさせるもので、華々しく痛快なヴィルトゥオジ…

フセイン・セルメットの展覧会の絵

テレビでフセイン・セルメットの展覧会の絵を観ました。このトルコ出身の御仁はティエリ・ド・ブリュノフの弟子なんだそうで、セーヌ川に浮かんだダルマ船(……といったら語弊があるかな)とピアノを師匠から受け継ぎ、今もそこでレッスンをしているんだとか―…

つまみ食いの続き

キーシン*1はアンコールの一曲目に革命を弾きました。オケマンの態度は何となく軟化(笑)このピアニストをまともに聴くのは久しぶりです。神童時代のメニューインみたいに、「型」あって情なし、という感じがして好きになれなかったのですが、このエチュー…

久々の衝撃

テレビでショパン生誕百周年のガラ・コンサートをやっていたのでつまみ食い。まず、ニコライ・デミジェンコ*1がアンコールで弾いた遺作のマズルカ(番号なしの、≪ア・エミール・ガイヤール≫というやつ)を聴いたのですが、オケの連中の憎々しげなしかめっ面…

典型的なフランスのペダゴーグ、ですな

エル・バシャのリサイタルを観ました。曲目はラヴェルの鏡、ラフマニノフの音の絵、など。ペルルミュテールやジャン・ドワイヤンなどお好きな方にはおすすめできるのではないでしょーか。

それとも、実演だとまるで違って聞こえるとか……!?

ベーム現象というやつはわが国の伝統的傾向とみえて、ここ数年話題になっているのが指揮者のプレートルとピアニストのチッコリーニです。十数年前のことを思えば、チッコリーニは「サティとかセヴラックとか弾いてる便利屋」という印象しかなかったと思いま…

遺作変奏曲の排列(三)

コルトーによる遺作変奏曲の配置を直接下敷きにしていると思われるのが、ソフロニツキーとジャン=フィリップ・コラールです。ただどちらも微妙にコルトーとは違う。ソフロニツキーは遺作変奏曲の第三をカットしていますが、これに関してはコルトーも入れると…

遺作変奏曲の排列(二)

しかしながら、コルトーの演奏でもっとも問題となるのは、エチュードの第七(Allegro molto)と第八(Sempre marcatissimo)のあいだに挿入された遺作の第二変奏曲(Meno mosso)と第五(Moderato)でしょう。まず、二曲の遺作変奏曲の並びがひとつの発明と…

遺作変奏曲の排列(一)

遺作変奏曲の演奏史はコルトーを以てその嚆矢としますが、わたしが最初に聴きなじんだ交響的練習曲のレコードもこのピアニストの一九二九年録音でした。これがいわゆる刷り込み盤になっているので、こういう曲だと思って何気なく聴いてきた面があるのですが…