2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧
ウディ・アレンというと何となく小賢しそうな印象があったのですが、わたしが見た限りではむしろ抵抗なく見られて職人芸が光るシャシンだなあと思いました。『ギター弾きの恋』とか『スコルピオンの恋まじない』とか。シンプルな、それでいて見る者の興味を…
そろそろフランクの手持ちも底をついてきました。リヒテルとボロディン四重奏団のライヴ(PHILIPS)では――彼らの共演が大抵そうであるように――リヒテルが主導権を握っていて、その存在感は圧倒的です。だからといってピアノがでしゃばっているというわけでは…
あまり室内楽はやっていなかったとばかり思っていたアラウがこの五重奏曲を弾いています。残念ながらバックがジュリアードなのですが(名前からしていけすかない)。弦は、でだしからして色気もなければ香りもなし。それ以上に問題なのが、つまらないところ…
弦楽四重奏だけをとれば、個人的にいちばん好きな演奏はブイヨン四重奏団かもしれません。秘めたる情熱がジワリと燃えさかっていて、時折体の奥底から肌まで突き上げそうになる、そんな演奏。熱い緊張感が全体を一貫しています。これはグっと来ますねえ。一…
いくつか聴いてみたいと思いますが、まずはコルトーと行きましょう。一九二七年録音といえばコルトー五十歳、脂の乗り切った時期のものです。艶やかな音色が際立つコルトーのピアノは、しかしながら色気をことさらに押し出すようなものではなく、格調高さを…
ベルティーニのマーラーの第四交響曲を聴きました。許光俊氏が前々から凄い凄いと書いていた、ベルリン・ドイツ響との二〇〇四年ライヴです。実際に聴いていただけのことはあって氏の解説にはこれ以上何か付け加える余地がありません。正しく述べられている…
あけましておめでとうございます。われながら分かりやすいことに毎年聴き初めはチェリ様です。今年はベルワルドの交響曲第三番にしてみました。スウェーデン放送響を指揮した一九六七年の録音です。一楽章がはじまって約二分間の、聴こえるか聴こえないかの…