マッチポイント

ウディ・アレンというと何となく小賢しそうな印象があったのですが、わたしが見た限りではむしろ抵抗なく見られて職人芸が光るシャシンだなあと思いました。『ギター弾きの恋』とか『スコルピオンの恋まじない』とか。シンプルな、それでいて見る者の興味をそらさないストーリーテリングが、個人的にはけっこう肌に合います。さも深刻そうな「大作映画」を作ってやろうという山っ気がないのも、いっそ爽やか。いい意味で「割り切ってる」のです。

上記二本が第二次大戦前のアメリカを舞台とした、古き良き時代へのアレンのノスタルジーが伝わってくるコメディーであったのに対して、こんど見た『マッチポイント』は現代イギリスを舞台にしたサスペンスものでした。まーよくある三角関係のもつれ話です。

ネットでインプレをいくつか見たのですがほとんど絶賛の嵐だったことに軽い驚き。個人的にはちょっと……な映画でした。わたしが先に挙げた二本のようなライト・コメディーを勝手に期待して裏切られただけなのかもしれませんが。

個人的には、主人公のセレブっぷりに現実感がないのが白けましたね。皮肉、だとしたら鋭さがないし……どっちつかずです。主人公が守ろうとしたもの、も見る者の心に響くようなものではありませなんだ。

というわけでスジはそれなりだったのですが、スカーレット・ヨハンソンがとにかくエロい。

『ギター弾きの恋』はユマ・サーマン、『スコルピオンの恋まじない』ではシャーリーズ・セロン、と分かりやすくアメリカーンなセクシー女優のラインナップです。趣味がわかる……かというと、そうでもなかったりして。この全ての映画を通じて、

〜〜一度くらいは寝てみたいけど、ビッチと一緒にゃ暮らせない〜〜

というアレンの魂の叫びがこだましています(笑)。「すっぱい葡萄」理論とも云いますが。屈折してますなーオッサン。

しかししかし、そのゆがんだレンズを通して妖しく躍動するヨハンソンのエロいことといったら。エロいにもほどがあります。そんなに美人じゃないのにね(とくに横顔)。

あと、ベッド・シーンで男の頭にネクタイを巻きつけてるのをみて

ヨッパライ「ええやないけええやないけ」
女「イヤッ、酒くさ〜〜」

というザ・ジャパニーズ・宴会コスプレかと思い込んだわたしはやっぱし頭がいかれてるのでしょうか(どういうプレイやねん)。







ちなみにただの目隠しでした。