映画

『ツィゴイネルワイゼン』(鈴木清順、一九八〇年)

『ツィゴイネルワイゼン』を見ました。監督の鈴木清順は「お前の映画は訳が分からん」といわれて日活をクビになったひと。雌伏十年、返り咲きしてからは以前にもましてワケがわからない映画を撮りつづけました。これは復活後のアート(?)路線の作品です。*…

たまに映画のはなし

『堂々現役』という番組で岡田茉莉子のインタヴューをみました。ますますお元気なようで何よりです。しかし、福田和也はインタヴュアーとしてあまりにも不勉強ですね。開口一番、バコールやバーグマンには自伝があるけど日本の女優さんには例がない、と抜か…

時代錯誤

更新の間があいてしまって申し訳ないです。環境の問題でしばらくCDを聴くことができていません……かわりといっては何ですが映画をけっこう見てます。『ハンナとその姉妹』は、評判がよいだけのことはあって、ウディ・アレンの作品中でも上出来の部類ではない…

中野翠の『小津ごのみ』

けっこう面白い本でした。ローアングルを深読みしないあたりが凡百の小津本とは一線を画していますな。とりわけ感心したのは「おじさまごっこ」の愉悦を指摘したあたりと東山千恵子へのオマージュです。しかし、あくまで「このみ」ならぬ感性で書いている本…

マッチポイント

ウディ・アレンというと何となく小賢しそうな印象があったのですが、わたしが見た限りではむしろ抵抗なく見られて職人芸が光るシャシンだなあと思いました。『ギター弾きの恋』とか『スコルピオンの恋まじない』とか。シンプルな、それでいて見る者の興味を…

R30

小津安二郎の映画を見るたび、いつも心の底から「こんなきれいなお嬢さんにオジサマって呼ばれてみたい……」と煩悩が炸裂します。はっきしいってこれって監督の趣味ですよねえ。小津といえば赤いヤカンと「小父様」です。だからわたしは正統的小津映画ファン……