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小津安二郎の映画を見るたび、いつも心の底から

「こんなきれいなお嬢さんにオジサマって呼ばれてみたい……」

と煩悩が炸裂します。

はっきしいってこれって監督の趣味ですよねえ。小津といえば赤いヤカンと「小父様」です。だからわたしは正統的小津映画ファン……のはず。

というわけで小父様って呼んでもらっておじさん感激、て女優さんラインナップでも。

桑野通子(淑女は何を忘れたか)
原節子(晩春)
月丘夢路(晩春)
津島恵子(お茶漬けの味)
山本富士子彼岸花
司葉子秋日和
岡田茉莉子秋日和

まだ他にもいたかな(戸田家の兄妹ではどんなだったかあまり覚えてない)。

美しすぎて怖い、を通り越してオッソロシイ節ちゃんがなんといってもステキですね。清水寺のシーンでは照れ隠しに「小野寺の小父様」の脇にドツキ入れちゃったりして。法悦の三島雅夫。節ちゃんに「フケツッ」といわれんがためならばオジサマ不潔なことでも何でもしちゃう、と錯乱しそうになります。

お尻の大きさでは石臼さまに負けていない山本富士子の京都弁もけっこうなもので。あと岡田茉莉子のことまりちゃんとか呼んで「茉莉子と呼んでください!」って冷たく拒絶されるのもいいなあ。Mの血(?)が騒ぎます。ハマグリでも赤貝でも何でも来い、ですよ。小父様なんでもご馳走しちゃうよ、ってな。

しかし返す返す残念なのが、わたしの別格贔屓女優の岸恵子香川京子はきちんと小津映画に出演しているのに「小父様」シーンが割り振られなかったこと。なんでやねーん。