フランクみたび

あまり室内楽はやっていなかったとばかり思っていたアラウがこの五重奏曲を弾いています。残念ながらバックがジュリアードなのですが(名前からしていけすかない)。

弦は、でだしからして色気もなければ香りもなし。それ以上に問題なのが、つまらないところで無闇に盛り上がるものだから肝心のクライマックスを差別化することができず、音楽にほんものの情熱を吹き込むに至っていないことです。ジュリアードと云いホフマン(アル中時代の)といい、ほんまにアメリカさんは構成感のない演奏家に甘いですな……アラウのピアノがいつものとおりコクのあるいい味を出しているだけに惜しまれます。コルトーの場合もそうでしたが、この曲は弦楽四重奏がダメだったらいくらピアノが引っ張ろうとしてもちょっと無理があるようです。

これがシューマンドヴォルザークの五重奏曲だったらピアノさえ良ければバックはアレでも結構聴けるかもしれません。ワイスマンやドブローウェン指揮のコンチェルト録音みたいなもので(どんなたとえやねん)。フランクの場合そうは問屋が卸さない。かといって、オケはフルトヴェングラーでもピアノがエシュバッヒャー、じゃあしまらないわけで……