エロイカとトロンボーン
ご案内のとおり、ベートーヴェンの第三交響曲はトロンボーンが編成のうちに入っていません。先日ブロムシュテットがN響に来演してこの曲を取上げたときは前プロが同じ作曲家の第五ピアノ協奏曲で、これまたトロンボーンを必要としない楽曲でした。その辺は、たぶん考えてプログラムを組んでいるんでしょうね。チェリ様が最晩年に指揮したときも前プロはたしかジュノム協奏曲だったはず。
ふと思い立って、フルトヴェングラーの演奏会記録を調べてみたら、この方はあまりそーゆうことを気にしないでプログラミングしているようです。特にベルリン・フィルを連れて各地を巡演しているときなど、ドン・ファンだの火の鳥だのブラームスの第二交響曲だのと組み合わせて、演奏会の半分だけでも出演しなければならないように演目ができあがっており、「やった!今日は休みだ〜」と遊ばせておかない(笑)
ブランデンブルク協奏曲第三番
ドビュッシー/雲と祭り
エロイカ
なんてプログラムの場合、トロンボーン奏者の実働時間は≪祭り≫のたった七分足らずのみですが、ギャラとかどうなるんでしょうね。*1
しかるに、これがウィーン・フィル相手だとガラッと様相が変わります。エロイカを振るときは前プロがブランデンブルク協奏曲だったりマーラーの≪亡き子をしのぶ歌≫(これはトロンボーン入っていそうだと思いましたが、さにあらず)だったりという具合で、その場合トロンボーン奏者は全休できるのです。*2
巨匠も、ウィーン・フィル相手だとけっこう気を遣ってたのかなあ(^^;