メンデルスゾーンで全力投球されてもなあ

小菅優さんの独奏でメンデルスゾーンのピアノ協奏曲第一番を視聴しました(オケは下野竜也指揮の読売日響)。

メンデルスゾーンをリストと勘違いしてるんじゃなかろうか。コンクールの審査基準でいえば問題なく弾けているんでしょうけど、テクニックに余裕が感じられません。悪い意味で全力投球。

メンデルスゾーンメンデルスゾーンたる所以は、金持ち喧嘩せず式の優雅さでしょう。お上品ぶられても困るけど、こう必死の形相でピアノを叩きまくられると、気品というものがまるで感じられません。一緒に弾いてるオケでさえピアノほどは下品じゃあない。

ただ、緩徐部のピアノ、ピアニシモの音色のうつくしさ、陰翳の濃い表情は印象的でした。ラヴェルの協奏曲の二楽章なんか良さそうですね。だけど一楽章、三楽章は、まだしばらく御免こうむりたいかな……

しかし、ことしはアニヴァーサリー・イヤ―なので何回か弾く機会もあるか知れませんが、こんな他愛もない曲、あとは一生演奏することもないんじゃないかしらん……それを暗譜するたぁ、お仕事とはいえご苦労さまなこってす。