可穂様と音楽

中山可穂といえば、わたしが最初に手にした動機は、どこかで目にした

  「すごい!……なんてすごいの……ピアニストの指!」

というセリフにぶっ飛んでの興味本位、でした(最初ここまでのめりこむとは思いもしなかったです)。

だけど、人に紹介するとき軽い気持ちで上記のセリフをあげて「こんな作家さん」って冗談半分に言うと大抵ドン引きされます。

「それってポルノ?」と言われたこともあったっけ……

というわけで、今回は凄そうな指のピアニストって誰かなあと考えてみます。
テクニシャンで、悪魔のように繊細かつ天使のように大胆、色気の匂い立つような女流というと、意外と思いつきません。グリンベルクとかユーディナはもはやセックスを超越しちゃってるしハスキルはむしろ受けっぽい(……)。アニー・フィッシャーも大好きだけどそういう感じではないような……

というわけで思いついたのはたった一人、ユーラ・ギュレールだけでした。この人ほど「女」を感じさせるピアニストはまずいません。それも極上の。脂粉の香りでむせかえるような濃密きわまる音色には言葉もありません。ただこの人はいかにも男好きっぽいですが。

……結局、可穂様とは何の関係もないやんけ……