チェリビダッケとフランス国立放送管(九)

先日の続きということでシューベルト二曲です。

交響曲第五番は、昔懐かしいARKADIAから出ていた既出音源です。

ARKADIAといえばアレですよ、「最高傑作」とか「マスターピースとか「ALL WE NEED IS LOVE」アルカディア(分かる人だけ懐かしがってください)。色々な意味でぶっ飛んでて、大好きなレーベルでした。わたしの心のふるさとの十パーセントくらいはアルカディアで出来ています(あとはDANTE、ARLECCHINO、METEOR、AUDIOR、ARTISTS、EXCLUSIVE、PEARL、BIDDULPHで十パーセントずつ)。

……つい脱線してしまいました。WME盤の音質はARKADIA盤から薄膜一枚はがしたような感がありますが、例によってのデジタル編集ミスは遺憾です。

以前のエントリーのロザムンデ同様強い生命力に溢れたシューベルトで、実にみごとな演奏だと思います。思いますが、わたしの刷り込みを覆すだけの鮮烈さは、残念ながら感じませんでした。

……ちなみにそれはフィッシャー=ディースカウ指揮ニュー・フィルハーモニア管の演奏です。今再聴しましたが、オケのひびきのまとまりなどいかにも素人指揮者水準でチェリとは比ぶるべくもないものの、うたの瑞々しさにおいて出色の棒だと、今でも思います(レーベルは今はなきROYAL CLASSICS)。

あと凄いと思ったのがシューリヒト/ウィーン・フィル(ALTUS)で、一楽章は少々生命力に欠けますが、二楽章から神が入ってます。

このシンフォニーはそれこそ未完成、グレイト以上に大好きな曲なのであれこれ聴いて回っているのですが、わたしの思い入れが強すぎるのでしょう、なかなか心からの満足を味わうことができないでいます。

ドイツ舞曲はミュンヘンのライト・コンサートでも指揮していたチェリ様のお気に入り。繊細な情緒に満たされた演奏ですが、コンサートマスターの不器用なヴィブラートは少々気になります(触れるのを忘れていましたが、ルーセルの第二楽章のヴァイオリン・ソロも同じ奏者だと思います)。