私的十大レーベル(四)

いまは海賊盤といえばMADE IN USAばっかりですが一昔前はイタリア製が専らでした。改悪前著作権法の関係ですね(またトシが分かるような話を……)。

というわけでイタリア製のARTISTS、EXCLUSIVEはチェリ海賊盤の初期を代表するレーベルといってもさしつかえないでしょう。ほかにもPARTITA、TOPAZIOなんてのもありましたがゲリラ的リリースに留まったのに対して、結構チェリ以外でも充実したラインナップが繰り広げられていたのがひとつ特徴でしょうか(KYOUNはマリネラ王国製)。

……わたしはARTISTSもEXCLUSIVEもチェリしか持ってませんけど……

何度も同じことを書くとほんまにわれながら老人ボケが進行してるなあと思わざるを得ないところですが、わたしがチェリ様に目覚めた展覧会の絵がARTISTS盤でした。この展覧会といいシュトゥットガルトのフランクといい、チェリ様としても指折り級の名演がすぐ思い浮かびます。シューマンの全集も何度も何度も聴き返しました。ワーグナー・アーベントは正規録音以上の出来ですし、チャイコフスキーの四番をEMI盤と比較するのもまた楽しからずや、でしょう(ものすごく違います)。

しかし、わたしはこのレーベルのチェリは結構買い逃したものが多くて残念です。未だにヴェーゼンドンク歌曲集などは再発されていないのではないでしょうか。

EXCLUSIVEのチェリは、今となっては他レーベルから再発してるものが多いのですが、ロ短調ミサ曲、シュトゥットガルトブルックナーでは三番四番など、そのラインナップはなかなかの壮観を誇っていました。ブルックナーのミサ曲第三番もここから出てましたし、詩篇交響曲も良かったなあ(録音はかなりアレですが)。

EXCLUSIVEでは、以上のような大曲もさることながらミラノRAI響を振ったレオノーレの第三番や悲劇的序曲などが得も言われず良かったです。あまり人が言及しないのが不思議なくらいで、前者が他レーベルから復刻されていないことは惜しまれます。正直なところブルックナーの八番やチャイコフスキーの五番をまた出すならこの辺を丁寧に拾い集めてくれないものか、と思うくらいです。