私的十大レーベル(五)
今回はちょっと脱線ということでイタリアンなステキレーベルをいろいろ思い出してみます。
MELODRAM。ここの代表盤といえば、アレですよ、コルトー/フリッチャイのシューマン(イ短調協奏曲と葬送ソナタはグリーンドアから再復刻されましたが……)。
他に手許にあるのはデ・ヴィートのチャイコフスキーとメンデルスゾーン、プシホダ&フルニエのドヴォルザークくらいなものですが、たしかシューリヒトや大クライバーなどが沢山出てました。今になってみると惜しい……(GOLDEN MELODRAMってのはここの進化系か何かでしょうか)
STRADIVARIUSなんてのもありましたねえ。わたしの好きなチアーニのCDを沢山出してくれています。
ENTERPRISEはシュナーベルのベートーヴェンとかウラニアのエロイカなど他人の褌系レーベル(ま、これもイタリアのもうひとつの顔ではあります)っぽいのですがたまにチェリ様/デンマーク放送響の幻想なんてのがあったりするからあなどれません。音は強烈に悪い(資料一歩手前)ですが、下手っぴいのトリノより格段に指揮者のやりたいことをオケが分かっているので時々我慢してこれを聴きます。
GRAMMOFONO2000も褌系ですがここには二大珍品がありました。ワーグナーの自作自演(ほんまは偽物)とクレンペラーのローエングリン全曲(クレンペラー怒号入り)です。後者はURANIAの抜粋盤を持ってます。残念ながら問題の怒号部分はカット(当たり前やん……)ですが演奏は実に立派で、実は全曲盤を買う機会があったのに「イカモノに出せる額ではない」とやめてしまったことが悔やまれます。ああアサハカな……
LEGEND。いろいろ出てたはずなんですけどわたしの手許にあるのはチェリ様のブラームス(二番、三番)とミケランジェリのベートーヴェンの第四協奏曲及び葬送ソナタだけです。後者のショパンは十八番なんで他にも演奏はいろいろあると思いますがベートーヴェンはたしか唯一の録音。ミケランジェリのベートーヴェンではむしろ皇帝よりこちらの方がすばらしいと思います(EXCLUSIVEからも出ていました)。
GALILEOはチェリ専門だったかもしれないレーベルです。魔法使いの弟子は衝撃的でした(今は正規盤が出てます)。他ではチェリ様バースデーコンサートがこのレーベルのレアリティー。
TOPAZIO。世間では小クライバーの人見記念公堂ライヴを出したところとして認識されていると思いますが、わたしにいわせれば、ここの代表作はチェリ様のチャイコフスキーの五番です。大ミサ曲や亡き子を偲ぶ歌も出てましたが後者はいまだに聴けずじまい。もうこうなったらMEMORIESが出してくれるのを待ちます(笑)。
というわけで、MEMORIESは、どこをどうやってかいくぐっているのか分かりませんが、いまどきプレスCDで海賊盤を出してくる漢気のあるレーベルです。イタリア魂ここにあり。異常なまでに日本市場のニーズに対するリサーチが利いていて、テンシュテットの復活ライヴだのベートーヴェン全集だのと悩殺的なものがあります。EMIのボケが出し忘れた紫の新世界に至っては、あなた。
MYTOはほぼオペラ専門レーベルでしたがたまにオケものなどもあります。チェリ様ではケルン放送響を振ったドイツ・レクイエム。ギーベルとホッターという超豪華ソリストです。ここも地道ながらいまだにプレス海賊盤を出していますね。やるなあ。
DATUMとかCINCINなんてのもあったけ……