私的十大レーベル(七)

そろそろ、made in USAの草分け(?)、METEORのことでも。紫一色のジャケットに肖像写真という作りだったので、一般に「紫」と略称されています(どんな一般だ)。

このレーベルの思い出は、わたしの中で、まるで秘密結社の総本山みたいにアヤシイ雰囲気が炸裂していた往年のヴァージン新宿店に直結しています。

まだインターネットもしていなかったので、チェリ様の文字情報は極端に限られていました。それこそクラウス・ラングの『チェリビダッケフルトヴェングラー』と一粒の麦くらいだったのではないでしょうか(笑)。それと許光俊氏がゲリラ的にそちこちで何か書いていたみたいですが。

というわけでチェリに目覚めたはいいが何を聴いたものか。総本山に行くとCDはアホみたいに沢山あるけど片っ端から聴いて回るわけにも行かないし……というわけでわれわれが採った手段はというと――

  • チェリのCDのジャケット裏で演奏時間を見る
  • 比較して異常に遅かったらそのチェリは「買い」

という、何ともバカ丸出しな作戦でした……が、これが結構当たった。こんな具合で、シェヘラザード、悲愴、海、プロコフィエフの五番にショスタコーヴィチの九番……これでもかというくらい濃ゆい、特濃ラインナップです。

EXCLUSIVEやARTISTSが演奏時間を表示していなかったのに対してMETEORは親切に所要時間が出ているので、とても参考になりました。やっぱり分かってますなあ

……こうやって人生を踏み外しはじめたんだなあ……(しみじみ)