2007-10-14から1日間の記事一覧

余談

もうひとりの「伝統主義者」クナッパーツブッシュが改訂版にこだわり続けた理由をある人は「ワーグナー的な響きが趣味に合うから」といい、また「ハースみたいなナチの犬の仕事が気に食わなかった」とする意見もあります。それぞれに、もちろん真実をついて…

シャフランとシゲティ

わたしがはじめて聴いたシャフランはシューマンのチェロ協奏曲でしたが、音色の美しさ――美しいというだけではまったく何も述べていないに等しい、あの生々しい艶めかしさには驚きました。こんな音色をチェロから引き出した人はまず思い浮かびません。だけど…

フルトヴェングラーのブルックナー(十五)

一九五一年の第四(わたしが聴いているのは十月二十九日ミュンヘンでのライヴです)はブルックナー・ファンにはあまり評判のよろしくないレーヴェ版による演奏ですが、「改訂度」が第七、第八の例に比べて著しい分フルトヴェングラーの解釈と「初版的なるも…